主催:日本オーガニックワイン協会
「オーガニック食品」や「オーガニックコスメ」を、お店などで見かけることが増えました。
当然、オーガニックな生活にこだわる人も増えています。
「オーガニック」とは、環境や健康に配慮し、自然な恵みを活かすことです。
ワインづくりの現場でも、「オーガニック」が進んでいます。
情熱のあるワイナリーほど、「オーガニックワイン」にこだわっています。
奥深い「オーガニックワイン」の魅力をぜひ皆さんに知っていただきたい!
そんな思いで、この検定を作りました。
合格者全員に進呈
オーガニックワインの魅力を伝えたくて、10年前から定期的にオーガニックワイン会を開催しています。
その参加割引券です。
ぜひ、気軽にオーガニックワイン会にお越しください(リアル開催、オンライン開催あり)。
はじめまして。
【日本オーガニックワイン協会】代表理事の堀井俊之と申します。
私は長年イタリアのオーガニックワインの輸入業に関わっていました。
ワインはとてもおいしく奥が深いですが、
一方で「飲むと体調不良を起こしやすくなる」「頭が痛くなる」
といった声もよく聞きます。
現にそれが理由でワインを飲まなくなってしまった方もたくさん見てきました。
しかし、そういった方がオーガニックワインを飲み始めるようになってから再びワインのファンになっていくのを目の当たりにし、より多くの人にオーガニックワインを親しんでいただきたいと思い協会を設立しました。
「オーガニックワインの魅力をもっと知りたい」
「もっとワインのおいしさや奥深さを学びたい」
そんな方はぜひ当協会をご支援ください。
オーガニックワインに関するプレ・コラムです。
受験を迷われている方へ…本編へ挑戦される前の前座としてお読みください。
第1章:自然の再定義と「慣行」という名のねじれ
人類の文明の歩みは、常に自然との対話、あるいはその克服の歴史でした。ワインもまた、数千年前から神聖な儀式や豊穣の象徴として、人々の営みの中心に存在し続けてきました。
しかし、私たちが生きる現代において、この大地の恵みを取り巻く環境には、ある「歴史的ねじれ」が生じています。
かつて、地球上のすべての農業は例外なく「オーガニック」でした。化学的な合成農薬も、人工的な肥料も存在しなかった時代、ブドウの樹は土壌の微生物と共生し、天候のサイクルに身を委ね、ただその土地固有の生命力を湛えて果実を実らせていたのです。
しかし、19世紀の産業革命により、農業のあり方は変貌を遂げました。効率性と大量生産を優先する「工業的な農業」が地球規模で拡大。それまでの自然な営みは過去のものへと追いやられたのです。
ここで奇妙な「ねじれ」が発生します。
本来であれば数千年にわたって標準であったはずの、自然の恵みをそのまま活かす農法が「オーガニック」という特殊なラベルで呼ばれるようになり、一方で、近代以降に登場した化学農薬や化学肥料に依存する手法が「慣行農業」という名の「当たり前」として定義されています。
現代において、私たちは「持続可能性(サステナビリティ)」や「生態系への敬意」を再び社会に実装しようと試みています。それは単に古き良き時代への回帰を意味するのではなく、近代化によって断絶された人間と自然との結びつきを、現代的に再定義する試みだと言えます。
オーガニックワインの歴史構造を紐解くことは、私たちが自明のものとして受け入れている「日常の普通」を疑い、真の豊かさとは何かを問い直すことです。ある意味、当事者意識の覚醒を促すプロセスとなるでしょう。
第2章:テクノロジーの歪みがもたらした風評の真実
オーガニックという概念は1960年代以降、徐々に人々の心を捉え始めました。その背景には、過度な工業化に対する抵抗と、健康への希求がありました。人々はスーパーマーケットで有機野菜を手に取り、その不揃いな形や日持ちの短さの中に、生命本来のピュアさを見出すようになってきました。
しかし、これほどまでに食への関心が高まった時代にあっても、オーガニックワインだけは長い間、不当な逆風に晒され続けてきました。「オーガニックワインはおいしくない」という風評の蔓延です。
この現象の裏には、高度に複雑化した現代の物流・流通インフラが生み出した「テクノロジーの歪み」が潜んでいます。
慣行農業によって大量生産され、合成保存料を前提とした近代的なワインは、ある種の頑健さを持ち、乱暴な温度管理や長距離輸送にも耐えることができました。しかし、化学的な介入を極力排除し、その土地のテロワールや天然酵母の力をそのままボトルに閉じ込めたオーガニックワインは、繊細な生命のバランスを保っています。
この繊細な液体を扱うための「正しい保存方法」や「適切な温度管理」に対する認識は、流通業者はおろか、消費者の間にもほとんど共有されていませんでした。結果として、誤ったインフラ網を通過する中で、本来の輝きを失い、劣化してしまったワインが市場に出回り、それが「オーガニックワインの味」として誤解されてしまったのです。
つまり、美味しくないと認識されてしまった。
これは、テクノロジーやインフラの進化が、必ずしも価値を正しく伝えるとは限らないという、リスクマネジメントにおける典型的な失敗例です。私たちは製品の表面的な記号(オーガニックという文字)を消費するだけで、それを支えるべき適切な知識のインフラ(デザイン思考的な管理のあり方)を欠いていました。
この誤ったパラダイムを覆し、オーガニックワインが持つ真の価値を社会に広めるためには、ただ感性に頼るだけでなく、流通や保存のメカニズムを理解するリテラシーが求められます。
第3章:ビーガン、テロワール、そして持続可能性への当事者意識
現代の消費社会において、エシカル(倫理的)なライフスタイルは急速な進化を遂げています。その代表格が、動物福祉や環境保護、健康上の理由から動物性食品を排除する「ビーガン(菜食主義)」の台頭です。
一見すると、自然へのリスペクトをベースとする「オーガニック」と「ビーガン」は一致するイデオロギーに思えるかもしれません。しかし、ここにも現代社会特有の複雑化した「倫理の境界線」と概念の混同が存在します。
多くの消費者は、「ブドウという植物から作られるワインは、すべて自動的に植物性(ビーガン)であるはずだ」という直感的な思い込みを抱きがちです。
しかし、ワインの醸造という伝統的かつ科学的なプロセスをミクロな視点で眺めると、そうではないことに気づきます。ワインの透明度を高め、濁りを除去するための「清澄」という工程において、歴史的にゼラチンや卵白といった動物性由来の物質が頻繁に用いられてきたのです。
ここで、重大な概念の解離が生じます。
たとえ化学肥料や農薬を一切使わずに育てられた完璧なオーガニックブドウを使用していたとしても、醸造の過程でオーガニックな動物性清澄剤を使用すれば、それは「オーガニックワイン」でありながら「ビーガンワイン」ではないという状態になります。
逆に、ブドウ栽培において近代的な化学物質を使用していたとしても、清澄プロセスで鉱物性の素材を選択するか、あるいは自然沈殿を待つ手法を取れば、それは「ビーガンワイン」にはなり得ても「オーガニックワイン」とは呼べない…。
この2つの概念は、必ずしも同義ではなく、それぞれが異なる倫理的アプローチと製造基準に基づいています。
私たちが持続可能な生活様式を選択しようとするとき、こうした生産プロセスのブラックボックス化は大きな障壁となります。
消費者が本当に環境や生態系への影響を考慮した選択(意思のある購買)を行うためには、単なるイメージやマーケティングの言葉に踊らされるのではなく、製品の背後にある「土壌からグラスに至るまでの全工程」を科学的・倫理的に見極める当事者としての知識が必要なのです。
第4章:五感を科学する未来へのアプローチ
オーガニックワインが私たちに提示する世界は、単なる環境保護や倫理的な義務に留まりません。
人間の五感を解放し、食文化そのものをアップデートするきわめて知的で創造的な体験でもあります。
近年、世界中の学術機関や最先端の研究所では、一見関係のなさそうな「ワインの味わい」と「外部環境の刺激」の相互作用について、大真面目な研究が進められています。
たとえば、特定の周波数や音楽のテンポが、人間の脳における酸味や甘味の知覚を変化させ、満足度を劇的に向上させるという実験結果が報告されています。さらには、ワインの熟成の場において空気の振動(音波)を与えることで、水分子や発酵を司る微生物の活動に物理的な影響を及ぼし、風味そのものを変化させる試みまで存在しています。
また、現代の最先端テクノロジーである「人工知能(AI)」の進化も、ワインと料理の関係(アッビナメント)に新しい展開をもたらしています。
AIは、ワインに含まれる無数の有機化合物や香りのデータ、そして食材の分子レベルでの共通項を学習し、人間の固定観念や伝統的なセオリーからは到底導き出せなかったような「意外かつ完璧なペアリング」を即座に提案することが可能になりました。
こうした科学とテクノロジーの交差点において、オーガニックワインは新しい真価を発揮しています。
化学物質によるノイズを極限まで排除し、大地のミネラルやブドウ本来の複雑な個性をそのまま宿した液体は、周囲の環境やペアリングの妙によって、その表情を無限に変えていくのです。
ワインを単なる「消費されるアルコール飲料」としてではなく、自然の知性と人間のテクノロジーが織りなす「液体のアート(芸術)」であり「サイエンス(科学)」として捉えるデザイン思考的なアプローチ。
私たちは今、歴史の知恵を受け継ぎながら、最新の知性を用いて食の未来を再構築するという、エキサイティングな時代の目撃者となっているのです。
結び:未来のアンバサダーへと続く扉
ここまでお読みいただいたあなたは、すでにオーガニックワインという存在が、単にグラスの中だけで完結するブームなどではないことに気づいているはず。
地球の未来を守るための持続可能な農業のあり方であり、複雑化した現代社会のインフラへの問いかけであり、そして私たちの倫理と感性を研ぎ澄ますための壮大な知のインフラであることに。
世界ではすでに、オーガニック専門の市場や公共調達の法制化、さらには若い世代を中心とした意識の変革が始まっています。ただ、この日本においては、未だに「意識の高い一部の人のためのもの」という古いパラダイムが根強く残っているのが現実のようです。
この「認識のギャップ」を埋め、正しい価値を伝えていくためには、情熱と論理的な知識を兼ね備えた、新たな導き手が必要とされています。
あなたの目の前に、その扉が開かれています。
これまでに提示された数々の「背景のねじれ」や「インフラの罠」、そして「倫理の境界線」を突破する知的な挑戦が、本編のクイズとしてあなたを待っています。
世界が求める真のリテラシーを、ぜひ勝ち取ってください。
運命の検定がここに眠っています。
検定プラスが目指す、これからの「知の探究」
テクノロジーの進化によって日常の作業が効率化されるこれからの時代、現代人にはかつてない「可処分時間(自由に使える時間)」がもたらされようとしています。
この増えゆく自由な時間を、単なる情報の消費で終わらせるのか、それとも自らの知的好奇心を刺激し、物事の本質を見極める「生きた教養(リテラシー)」の向上に充てるのか。
この選択が、これからの人生の豊かさを大きく左右するでしょう。
「検定プラス」は、一般社団法人協会総研が運営する、大人のためのオンライン探究学習プラットフォームです。
通常の「目的のある検索」だけでは決して出会えない、まだ見ぬ知識や専門団体の独自メソッドと偶然出会える知的空間(ブラウジングの場)を設計しています。
世の中に潜在している豊かな専門知や公的データを丁寧に掘り起こし、誰もが能動的に楽しめる形で可視化(編集・翻訳)することで、日々の生活をより面白く、豊かに変えていくための「知のインフラ」として機能することを目指しています。